今年も鯉のぼりが泳ぐ、さわやかな季節が訪れました。毎年の事ながら、この季節になると、早朝の駅には、さまざまな夢を胸に抱いた新入社員の若者たちが、足早に通り過ぎて行きます。しかしこの若者達の一年後、世論調査によると、約30%が退職しているというデータが出ています。「仕事で分からないことを質問できない」「先輩社員からかまって貰えない」「溶け込めない」「仕事にやりがいを見つけられない」「同僚や先輩とコミュニケーションが取れない」などが大きな理由といわれます。せっかく入った職場をこんな簡単な理由でやめていく、なんとも情けないと思います。しかし、分からないことを普通に聞ける人にとってはなんともないことですが、聞けない本人達にしてみれば、とてもつらいことかもしれません。このようなことが原因で、引きこもりの大人が年々増加している事は事実です。人生で遭遇する様々な事を乗り越えられない人々が増えてきた原因には、間違ったゆとりの教育やインターネット、TVゲームの普及などがあると言われます。 |
人とほとんど会話することなく時を過ごし、 インターネットで一方的に答えを探す。たとえ間違ったり、失礼な言葉を投げかけても叱られる事もない、リスクを回避した生き方をしてきた若者にとっては、どう対処してよいか分からないのです。一九五〇年代生まれの私たちは、アナログ思考とデジタル思考の狭間で、叱られたり、喧嘩したり、自分の得意なことを自慢し合ったりして、お互いに切磋琢磨しながらの、様々な実体験の中から社会で必要な常識や我慢、物事の判断力等々、「心」を育てながらの人間関係を形成して来ました。その根底にはエネルギーの源となる夢があったのです。しかし現代の若者は夢を持つことの素晴らしさを忘れた大人達から、今食べるための生き方や、リスクに背を向けて生きる生き方などを、知らぬ間に頭に刷り込まれて、チャレンジすることすらせず、あきらめて人生を生きています。経済的にも精神的にも下降線の日本にとって、ATSは必要不可欠なプログラムです。いつの世も強い大人が国を作っていきます。強い大人作りそして強い若人作りのために、一人でも多くの方にATSを学んでいただきたいと願っています。 |